琵琶湖と街がつながる場所──LAGO大津で始まる、新しい湖畔ライフ

「LAGO(ラゴ)大津」──この名前を聞いてピンとくる人は、まだそれほど多くないかもしれない。けれども、これからの滋賀県・大津市の顔となる場所として、確かな存在感を放ち始めている。

2022年、JR大津駅から徒歩数分の場所、琵琶湖を目の前に望む絶好の立地に誕生したこの施設は、「まち・ひと・みず」が調和する都市型ライフスタイルの新たな拠点だ。

琵琶湖という圧倒的な自然資源を前に、LAGO大津はただのショッピングモールではなく、“地域の新しいリビングルーム”として、静かに、でも確実に進化を遂げている。

■ LAGO(ラゴ)とは何か?

「LAGO」はイタリア語で“湖”を意味する。まさに琵琶湖と共にある街・大津にぴったりの名前だ。

この施設は旧・大津パルコの跡地に建てられたリニューアル施設で、「人と湖、街と暮らしを結び直す」ことをコンセプトに再構築された。

注目すべきはそのバランスだ。買い物や食事といった日常の機能に加え、ワークスペースやイベントスペース、そして琵琶湖の眺望を活かしたデザイン性の高さ。便利さと心地よさのちょうど真ん中を狙った構成が、地元住民だけでなく観光客も惹きつけている。

■ ローカルとつながるショップ構成

LAGO大津の魅力のひとつは、「ローカルとの共生」にこだわっている点だ。単なる全国チェーンの集合ではなく、滋賀らしさを感じられる店舗が多く出店している。

  • 近江牛を使った地産グルメ
  • 滋賀の酒蔵と連携したバー&ダイニング
  • 地元アーティストの作品が展示されるギャラリースペース

こうした構成は、「LAGOはショッピングセンターではなく、地域文化のショーケース」だという運営側の哲学を感じさせる。

もちろん、無印良品やスターバックスといった馴染みの店舗も揃っているので、日常使いとしても不便はない。地域密着と利便性の両立が、LAGO大津の強みだ。

■ 湖とつながる開放的な空間設計

LAGO大津の最大の特徴は、そのロケーションを活かした“開かれた空間”だ。

3階からのテラスに出ると、目の前には遮るもののない琵琶湖ビュー。天気の良い日は、対岸の比良山系まで見渡せる。都会のビルに囲まれたショッピングモールでは絶対に味わえない、開放感と清涼感がここにはある。

また、屋外広場ではマーケットやマルシェが開催され、子どもたちが走り回る姿がよく見られる。「買う」「食べる」だけでなく「過ごす」ための場所として、地域の人々の生活に溶け込んでいる。

琵琶湖と街が断絶されるのではなく、つながる。その結節点としてのLAGO大津の存在は、これからの都市づくりのヒントにもなりそうだ。

■ 働く・遊ぶ・学ぶを兼ねる“第三の場所”

LAGO大津が目指しているのは、“買い物するための施設”ではなく、**「過ごせる、働ける、学べる場」**としての機能の融合である。

たとえば——

  • コワーキングスペース「ビワコワーキング」:フリーランスやテレワーク利用者に人気。
  • セミナールーム・イベントホール:地域団体の勉強会やアートイベントなどに活用。
  • キッズスペース:親子連れが安心して利用できる設備が充実。

このように、日常の延長線上にある“第三の居場所”として機能している。
つまり、LAGO大津は単なる「お出かけスポット」ではなく、**「ふだんをもっと心地よくするための空間」**なのだ。

■ 観光と地元が交差する「大津の新拠点」

滋賀県を訪れる観光客にとって、大津は「京都からのついで」に見られがちだった。

だが今、LAGO大津をハブにした新しい観光動線が生まれつつある。

  • 大津港からの琵琶湖クルーズ(ミシガン号)との連携
  • 比叡山・延暦寺、三井寺などの寺社観光のゲートウェイ
  • 大津宿(旧東海道)のまち歩きと組み合わせる観光提案

これにより、「ただの通過点」だった大津が、「ここに立ち寄りたい街」へと変わってきている。

しかも駅から徒歩5分以内。旅行者にとっても、立ち寄りやすさは抜群だ。

■ “湖と生きる”という価値を体現

LAGO大津は、いわゆる大型モールのように派手さはない。だがそこには、「この土地でどう生きていくか」を丁寧に描いた設計思想がある。

琵琶湖という日本最大の湖と、文化・歴史・自然・人が共に生きる街・大津。
その象徴のような施設が、LAGO大津なのだ。

買い物だけではない、遊びだけでもない。
**「街に住むことの豊かさ」「地元を愛することの誇らしさ」**を感じさせてくれる場所。

それがLAGO大津であり、滋賀県がこれから進もうとしている未来像のひとつでもある。

■ 最後に──「琵琶湖が好き」なら、一度訪れてほしい

LAGO大津はまだ完成形ではない。日々変化し、地域と共に成長を続けている。
でもその途中経過すら、訪れる人にとっては魅力になる。

「琵琶湖を感じながら、暮らす・遊ぶ・学ぶ」

そんな未来が、ここから静かに始まっている。

だからこそ、滋賀を訪れたことがある人も、まだない人も。
ぜひ一度、「湖と街の間にある、静かな温度の場所」──LAGO大津に足を運んでみてほしい。